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蛇にまつわる三室戸寺のご利益

■蛇年の魅力

 京都府宇治市に位置する三室戸寺は、西国三十三所観音霊場第10番札所として知られる歴史ある寺院です。四季折々の美しい花々が咲き誇る「花の寺」としても有名で、多くの参拝者や観光客を魅了しています。

三室戸寺の歴史と由来

 三室戸寺は、770年(宝亀元年)に光仁天皇の勅願により創建されたと伝えられています1。当初は「御室戸寺」と呼ばれていましたが、後に光仁天皇、花山法皇、白河法皇の三帝の離宮となったことから、「三室戸寺」と改称されました。寺伝によると、創建の由来には興味深い逸話があります。光仁天皇が宮中に毎夜差し込む金色の霊光の正体を知りたいと願い、家臣に命じてその源を探させました。家臣が宇治川の支流・志津川の渓流をたどると、清淵に身の丈二丈ばかりの千手観音像を発見したといいます。

三室戸寺の御本尊とご利益

 三室戸寺の御本尊は千手観音菩薩です。千手観音は、その名の通り千本の手を持つとされ、あらゆる苦しみから衆生を救うとされています。そのため、三室戸寺は様々なご利益で知られていますが、特に以下のご利益が有名です:

  1. 厄除け
  2. 病気平癒
  3. 学業成就
  4. 恋愛成就
  5. 家内安全

 また、境内には「狛兎」「狛蛇」「宝勝牛」などの珍しい石像があり、それぞれに特別なご利益があるとされています2。例えば、狛兎が抱える玉に卵型の石を立てられれば願いが叶うといわれています。

三室戸寺の見どころ

1. 四季の花々:三室戸寺は「花の寺」として知られ、年間を通じて様々な花を楽しむことができます。

  • 春(2月下旬〜3月上旬):しだれ梅
  • 春(4月下旬〜5月上旬):つつじ(約2万株)
  • 夏(6月上旬〜7月上旬):あじさい(約10,000株、50品種)
  • 夏(7月):蓮
  • 秋(11月):紅葉

特に、あじさい園は京都屈指の規模を誇り、「あじさい寺」としても有名です。

2. 三重塔:三室戸寺の三重塔は、京都府指定有形文化財に指定されています。元禄17年(1704年)に建立された全高16メートルの塔で、もともとは兵庫県の高蔵寺にあったものを1910年に移設したものです。

3. 本堂と宝物館:本堂は重厚な造りの建築物で、内部には秘仏の千手観音像が安置されています。また、宝物館には重要文化財に指定された仏像5体が納められており、毎月17日に公開されます。

4. 与楽園:1988年に「昭和の小堀遠州」と呼ばれる中根金作によって作庭された日本庭園です。四季折々の景色を楽しむことができます。

御朱印情報

三室戸寺では、通常の御朱印に加えて、季節限定の特別御朱印も授与しています。

  • 受付時間:8:30〜16:00(11月〜3月は15:30まで)
  • 料金:300円
  • 特徴:「大悲殿」「御詠歌」などの文字と、本尊の千手観音を表す梵字が記されています。

また、2023年は巳年にちなんだ「宇賀神」をモチーフにした特別御朱印も用意されています。

周辺観光スポット

三室戸寺周辺には、多くの観光スポットがあります:

  1. 平等院(徒歩約30分):世界遺産に登録された有名な寺院で、10円玉にも描かれている鳳凰堂が見どころです。
  2. 宇治上神社(徒歩約20分):日本最古の神社建築として知られる本殿は国宝に指定されています。
  3. 宇治神社(徒歩約25分):源氏物語ゆかりの神社で、学問の神様として有名です。
  4. 興聖寺(徒歩約30分):曹洞宗の開祖・道元が開いた日本初の禅宗寺院です。琴坂は紅葉の名所として知られています。
  5. 宇治市源氏物語ミュージアム(徒歩約25分):源氏物語の世界を体験できる博物館です。

アクセス情報

三室戸寺の最寄り駅は、京阪宇治線「三室戸駅」です。

  • 京阪三室戸駅から徒歩約15分
  • JR宇治駅からタクシーで約10分

 また、自動車でのアクセスの場合は、京滋バイパス宇治東ICから約3分です。三室戸寺は、四季折々の美しい花々、歴史ある建造物、そして深い信仰の場として、多くの人々を魅了し続けています。京都観光の際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。豊かな自然と歴史に包まれた三室戸寺で、心静かなひとときを過ごすことができるでしょう。

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