ケルビム(智天使)は、カバラの天使階級においてセラフィムに次ぐ高位に位置し、神の知恵と守護を象徴する存在です。
ケルビム・ファミリーの構成
- リーダー(大天使):ラジエル
- 8人の守護天使:各天使の守護日
- ハジエル(Haziel)5/1~5/5
- アラディア(Aladiah)5/6~5/10
- ラヴィア(Lauviah)5/11~5/15
- ハハイア(Hahaiah)5/16~5/20
- イェザレル(Iezalel)5/21~5/25
- メバヘル(Mebahel)5/26~5/31
- ハリエル(Hariel)6/1~6/5
- ヘカミア(Hekamiah)6/6~6/10
ケルビムの主な役割
- 神殿や聖域の守護
ケルビムは神殿の入り口やエデンの園の東門を守る番人として描かれ、神聖な場所への不浄な侵入を防ぎます。創世記では、アダムとイブが追放された後、「あらゆる方向に向かう炎の剣」とともに命の木を守る役割を担いました。 - 神の知恵と意志の伝達
ケルビムは「智天使」とも呼ばれ、神の知識や意志を下位の天使や人間に伝える媒介者です。神の近くにいて、その姿を直接見ることができる「智」の象徴でもあります。 - 人間のメンタルヘルスや調和のサポート
カバラ的解釈では、ケルビムは人間の心の健康をケアし、人生の調和と静けさを取り戻すよう助けます。創造的で前向きなエネルギーをもたらし、人生の美しさや地球・自然を見守る役割も担っています。 - 神の玉座の運搬・守護
ケルビムは神の玉座を運ぶ存在ともされ、「神の乗物」や「神の玉座の守護者」としての側面も強調されます。
ケルビムの象徴的な姿
- 4枚の翼と4つの顔
聖書やカバラ文献では、ケルビムは4枚の翼と4つの顔(人、獅子、牛、鷲)を持つ異形の存在として描写されます。全身や車輪に目があり、知識と洞察の象徴です。 - 車輪と炎の剣
エゼキエル書では、ケルビムの傍らに「車輪」があり、どの方向にも素早く移動できると記されています。また、命の木を守る際には「きらめく炎の剣」を持っています。
ケルビムにまつわる主なエピソード
- エデンの園の守護
創世記にて、アダムとイブが追放された後、命の木を守るためにケルビムが配置されました。これは「永遠の命」を罪あるまま得ることを防ぐための神の配慮とされています。 - 契約の箱の装飾
出エジプト記では、モーセが授かった十戒を納める「契約の箱」の上にケルビムの像が施されています。これは神の臨在の象徴とされています。 - 神の乗物・玉座
サムエル記や詩編では、「主はケルビムの上に座す」「ケルビムに乗って飛ぶ」といった表現があり、神の威厳や権威の象徴として登場します。 - ルネサンス絵画での表現
ケルビムはしばしば「翼の生えた幼児(プット)」として描かれ、純粋な愛や無垢の象徴としても親しまれています。
ケルビム・ファミリーの守護天使の役割(概要)
- ハジエル:無条件の赦しと慈愛
- アラディア:癒しと再生
- ラヴィア:夢とインスピレーション
- ハハイア:内面の平和と安心
- イェザレル:忠誠と友愛
- メバヘル:正義と公平
- ハリエル:純粋さと精神的成長
- ヘカミア:リーダーシップと守護
まとめ
ケルビムは神の知恵と守護、調和と創造性を象徴する高位の天使ファミリーです。リーダーのラジエルと8人の守護天使が所属し、神殿や命の木の守護、神の意志の伝達、人間の心の調和といった多様な役割を担っています。聖書や伝承、芸術作品にも多く登場し、神聖な知恵と守護の象徴として崇められています。