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天使の9つの階級-「生命の樹」の9つのセフィラ(球体)

■雑記

 カバラやキリスト教神秘主義、天使学において、天使は「9つのファミリー」または「9階級」に分類されます。これらはそれぞれ独自の役割と特徴を持ち、神と人間、宇宙の秩序を保つために働いているとされています。

構成と特徴

  • 各ファミリーはリーダーである「大天使」と、その下に8人の守護天使で構成されています。
  • 9つのファミリーは「生命の樹」の9つのセフィラ(球体)に対応し、それぞれが異なる使命と役割を担っています。

9つの天使ファミリー詳細

ファミリー名役割・特徴リーダー大天使長代表的な守護天使例守護期間
セラフィム
(熾天使)
神に最も近い、神聖な愛と光を象徴。無条件の愛、希望、信仰を人間に与える。メタトロンヴェウイア、イェリエルなど3/21~4/30
ケルビム
(智天使)
神の知恵と創造性、メンタルヘルスや自然の調和を司る。ラジエルハジエル、アラディアなど5/1~6/10
スローンズ
(座天使)
神の正義と公正、魂の試練と贖いを助ける。感情的・精神的解放を導く。ビナエルラヴィア2、カリエルなど6/11~7/22
ドミニオンズ
(主天使)
神の意志の実行、才能や使命の割り当て、魂の進化をサポート。ヘズディエルニスハイア、ハアイアなど7/23~9/2
パワーズ
(能天使)
平和と正義、障害の除去、カルマの解消、許しと勇気を授ける。カマエルイェユイア、レハヒアなど9/3~10/13
ヴァーチュズ
(力天使)
奇跡と癒し、スピリチュアルな成長、本質の発見を助ける。ラファエルハハヘル、ミカエルなど10/14~11/22
プリンシパリティーズ
(権天使)
愛と美、地球上の生命や人間関係の調和、無条件の愛を広める。ハニエルヴェフエル、ダニエルなど11/23~12/31
アークエンジェルズ
(大天使)
人類と守護天使を見守り、保護と導きを与える。ミカエルネマミア、イェアレルなど1/1~2/9
エンジェルズ
(天使)
人間に最も近い存在。日常を見守り、人生の幸福とバランスを助ける。ガブリエルダマビア、マナケルなど2/10~3/20

それぞれのファミリーの役割と使命

セラフィム(熾天使)
 神に最も近く、純粋な愛と光の象徴。人間の愛を助け、信仰や希望を再燃させる役割を持ちます。ユダヤ教・キリスト教の伝統における天使の階級の中で最上位に位置づけられる天使です。「熾(し)」は「火が盛んに燃える」という意味で、セラフィムは神への愛と情熱で体が燃えている存在とされます。セラフィムは「六つの翼(3対)」を持つとされ、2枚で顔を、2枚で足を隠し、残り2枚で飛んでいる姿が特徴です。その姿はイザヤ書6章に詳しく描写されており、神の玉座の周囲で絶え間なく神を賛美し、「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の主。その栄光は全地に満つ」と歌っています。セラフィムは神に最も近い存在であり、神と直接交わることができる天使です。彼らの主な使命は、神を絶え間なく賛美し、神の栄光と尊厳を称えることです。また、無条件の愛の象徴であり、人間の愛の生活を助け、希望と信仰を再燃させる役割も担っています。また、かつて最も美しい熾天使であったルシファー(サタン)は、堕天する前は12枚の翼を持つ熾天使だったという伝承もあります。セラフィム(熾天使)は、神への燃えるような愛と情熱を体現し、六枚の翼を持つ最上位の天使として、神の玉座の傍らで絶え間なく神を賛美し、無条件の愛と信仰を人間にもたらす存在とされています

ケルビム(智天使)
 知恵と創造性、自然や地球の調和を守る。メンタルヘルスや人生の美しさをサポートします。天使の階級の中でセラフィム(熾天使)に次ぐ第2位に位置する非常に高位の天使です。「ケルビム」は「知識」「祝福された者」「偉大な者」といった意味を持つとされます。エゼキエル書の記述では、ケルビムは「四つの顔(人・獅子・牛・鷲)」と「四つの翼」を持ち、翼の下には人間の手のようなものがあるとされています。聖書における役割としては、エデンの園の守護者、神の玉座や神殿の守護者、神の乗り物として登場します。

スローンズ(座天使)
 魂の試練や贖いを助け、感情的・精神的な解放を導きます。キリスト教神学における天使の階級の中で第三位に位置する上級天使です。日本語では「座天使」または「宝座」と呼ばれ、英語では「Thrones(スローンズ)」、ギリシャ語では「トロノイ」、ヘブライ語では「ガルガリン(Galgalim)」とも呼ばれます。「玉座」や「車輪」を意味し、主に「燃え盛る車輪」や「無数の瞳を持つ車輪」として描かれることが多く、神の戦車を運ぶ役割を持つとされます。また、「Lords of Will(意思の支配者)」の異名を持ち、神の意志を受け止め、宇宙の秩序や神の計画を円滑に進めるための重要な存在とされます。さらに、物質世界と精神世界をつなぐ橋となり、神の公正さと正義を体現する天使ともされます。他にも堕天使伝承として、この階級からはアザゼルやアドラメレクなどの堕天使も生まれたとされ、ソロモン王に仕えた悪魔の中にも元座天使が多く含まれます。

ドミニオンズ(主天使)
 神の意志に従い、才能や使命の分配、魂の進化を助けます。天使階級の中で中級三階級の最上位(全体で第四位)に位置する天使たちです。「ドミニオンズ(Dominions)」は「統治」「支配」を意味し、ギリシャ語では「キュリオテテス(Kyriotetes)」とも呼ばれ、別名で「主権(ロードシップ、Lordship)」とも表現されます。天使たちの統率者として、神の意志を下位の天使たちに伝え、彼らの働きを監督・統制する役割を担います。神による万物の統治を熱望し、神の威光を世に知らしめることを至上命題としています。彼らのシンボルは「笏(しゃく)」や「錫杖」で、支配や権威の象徴とされています。また、ドミニオンズは通常は人間の前に姿を現さず、現れる場合は完璧な美しさを持つ人間の姿で現れるとされます。

ヴァーチュズ(力天使)
 奇跡や癒しをもたらし、スピリチュアルな成長や本質の発見をサポートします。キリスト教神学における天使の階級の中で第五位に位置する天使たちで、天使の九階級のうち中級三隊の2番目(全体で第五位)に属し、「高潔」や「美徳」を意味する名前を持ちます。英語で「Virtues(ヴァーチュズ)」、ギリシャ語で「デュナメイス(Dynamis)」とも呼ばれます。力天使は、奇跡の管理者として神の力や奇跡をこの世界にもたらす役割を担い、現実世界での超常的な現象や奇跡の実現を司ります。英雄や人々に勇気を授け、困難を乗り越える力を与えるとされます。また、天候や自然界の秩序を保つ役割も持っているとされ、宇宙の調和や自然の法則の維持に関わっているとされ、さらに人間の精神的成長や意識の変容を促し、個人の内なる変革や目覚めをサポートします。ヴァーチュズは「神聖なエネルギーの職人」とも呼ばれ、神と人間、天界と地上をつなぐ役割を持つとされ、彼らの働きは、愛・癒し・インスピレーション・奇跡・成長など、人生におけるポジティブな変化や覚醒のきっかけとなります。その存在は、夢や自然、日常の中のシンクロニシティなどを通じて感じられることがあります。

パワーズ(能天使)
 平和や正義の秩序を守り、障害を取り除き、許しや勇気を与えます。天使の階級の中で第6位(中級三隊の最後)に位置する天使たちです。日本語では「能天使」と呼ばれ、英語では「Powers(パワーズ)」、ラテン語では「Potestates(ポテスターテース)」、ギリシャ語では「Εξουσιαι(エクスシーアイ)」と呼ばれています。パワーズは天使の中でも特に悪魔と直接戦う任務を持ち、神の命により天に背いた悪魔たちを滅ぼす役目が与えられており、神の意志や掟を下位の天使や世界に正しく実行させる役割を担っています。また、宇宙や自然界の法則、物理的な秩序を守ることや、全人類を導く高次の霊的存在ともされ天地創造にも関わったとされます。悪魔と最前線で戦うため、非常に過酷で危険な役割を担い、堕天使を多く出している階級としても知られています。能天使の中からは、カマエルやパイモン、ガープなど、後に堕天したとされる存在も多く伝えられています。

プリンシパリティーズ(権天使)
 愛や美、地球上の生命や人間関係の調和、無条件の愛を広めます。天使の九階級において第七位、下位三隊の最上位に位置する天使たちです。英語では「Principalities(プリンシパリティーズ)」と呼ばれます。権天使は地上の国や都市、共同体を統治・支配する役割を持つとされ、各国や地域、指導者層の守護を担います。人間社会のリーダーや指導者を見守り、正義や善の決意を鼓舞し、正しい道へと導きます。もともとは「地上の統治者」としての性格が強かったが、時代とともに「信仰の擁護者」としての側面も強まっています。指導者を監視し、正義や善への決意を促すため、やや厳格で正統的な善悪感を持つ傾向があります。元権天使の中には、堕天して悪魔となった存在もいます。例としてニスロクやベルフェゴールなどが挙げられます。

アークエンジェルズ(大天使)
 人類全体の保護者。ミカエル、ラファエル、ガブリエルなどが有名で、守護天使や人間を見守ります。天使の九階級のうち第八位(下位三隊の中位)に位置し、「使者の長」や「卓越した使者」を意味します。英語では「アークエンジェル(Archangel)」と呼ばれ、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教などアブラハムの宗教に広く登場します。大天使は「神のメッセンジャー」として、人生の転機や重要な場面で現れるとされます。天使の中でも特に人間に親しみやすく、人間界に近いため、祈りや願いが届きやすい存在とも考えられており、絵画や文学などでもよく描かれてきました。

エンジェルズ(天使)
 人間に最も近く、日常生活を見守り、幸福やバランスを助ける存在です。使の九階級のうち最下位(第九位)に位置し、物質世界や人間界に最も近い存在です。ギリシャ語の「アンゲロス(angelos)」は「伝令」「使いの者」を意味し、神の言葉や意志を人間に伝える役割を持ちます。天使は階級が低いという意味ではなく、人間界との距離が近いため、私たちの日常や現実的な問題に直接関わることができます。個人や集団を見守り、危険から守ったり、人生の重要な場面で導きを与えたりします。守護天使として、私たちの祈りや願いを神に届け、逆に神の意志を私たちに伝えます。翼を持ち、頭上に光の輪(後光)がある姿で描かれることが多いですが、聖書では普通の人間のような姿で現れることもあります。天使は癒しや気づきをもたらし、困難なときに勇気や安心感を与える存在でもあります。

まとめ

 9つの天使ファミリーは、それぞれが異なる使命とエネルギーを持ち、宇宙や人間の成長、調和、保護に関わっています。各ファミリーはリーダーである大天使長と8人の守護天使で構成され、私たちの人生や魂の成長を多角的にサポートしています。

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