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ケルビム(Cherubim) – エデンの園を守る智天使

■雑記

 ケルビム(cherubim)は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などアブラハムの宗教において重要な役割を果たす天使の一種です。彼らは神の存在を守り、神の意志を伝える使者として描かれます。

歴史的背景

 ケルビムの起源は古代メソポタミアにあり、特にアッカド語の「karabu」(祝福する)に由来すると考えられています。古代メソポタミアでは、ケルビムは人型で、恐ろしげな姿をしていて、戦闘用の兜を被り、翼を持つことが多かったです。また、グリフィンやスフィンクスに似た姿で描かれることもありました。ユダヤ教では、ケルビムは特に旧約聖書に頻繁に登場します。彼らはエデンの園の入口を守り、神の御座を支える役割を果たしていました。モーセがシナイ山で十戒を受け取った際、神は彼に契約の箱(アーク・オブ・ザ・コベナント)を作るよう命じ、その上に金で作られたケルビムを置くように指示しました。

象徴的な意味

 ケルビムは、神の力や聖性を象徴する存在として理解されています。特にエゼキエル書では、ケルビムは神の御座を運ぶ存在として描かれ、四つの顔(人間、ライオン、牛、鷲)を持つ複雑な形態をしています。これらの顔は、それぞれ人間、野生動物、家畜、鳥を代表し、神の支配する四つの領域を表しています。また、ケルビムは神の存在を守る役割を持ち、聖なる場所へのアクセスを制限する存在としても見られます。彼らは神の意志を伝える使者であり、神と人間の間の橋としての役割も果たしています。キリスト教では、ケルビムは天使の階層においてセラフィムに次ぐ第二位に位置づけられています。トマス・アクィナスによれば、ケルビムは知識を象徴し、セラフィムが神への燃える愛を象徴するのに対し、ケルビムは神の知恵を体現しています。また、西洋美術では、ケルビムは小さくて丸い顔の少年として描かれることが多く、プットやキューピッドと関連付けられることもあります。

まとめ

 ケルビムは、古代から現代まで、宗教的な文脈で重要な役割を果たしてきました。彼らは神の存在を守り、神の意志を伝える使者として、宗教的な象徴としての重要性を持ち続けています。ケルビムの複雑な形態や多様な役割は、神の力や聖性を象徴するものであり、宗教的な信仰や芸術において深い影響を与えています。

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